各地で梅雨入りし、避難所の新型コロナ対策が進められています。
特に今年は、1月に発生した新型コロナ感染症がくすぶり続けているため、例年通りとはいきません。

いわゆる複合災害化を最小限に抑える必要があるからです。
→ 新型コロナ感染症の複合災害化に備える〜いま想定すべき“最悪の事態”とは

北海道北見市では、「避難所でコロナ感染拡大を防ぐ訓練が行われました。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20200630/7000022543.html

・受付で検温や体調の確認
・感染疑いのある人、それ以外の人を区別して誘導
・ダンボールベッドの仕切りや囲い
・重篤者・要搬送者の一時隔離テント
・健康な避難者のソーシャルディスタンス
などを意識して行われました。

感染症を強く意識して避難所運営を行うのは、誰もが初めてのことであるに違いありません。

これから、他の自治体でもこうした訓練は増えてきそうですし、訓練により見えてくる様々なことがあるでしょう。

どんなことに気をつければいいのか、以下に掲げます。

避難受付時に心がけることは?

避難受付時のポイントと避難所レイアウト

感染症対応時の避難所は、入口、つまり受付が最初の重要ポイントです。
入口で発症に気づいて、避難者を適切な空間に分けて受け入れることができれば、感染の拡大を抑えることができます。

そのためにも、以下のチェックと感染予防策をとりましょう。
◇避難受付時のチェック
・避難者カードの記入
・発熱、咳など症状の有無
・要配慮者の確認

◇用意するもの
・体温計(非接触型)
・アルコール消毒液(手指衛生用)
・ハンドソープ
・ウェットティシュー
・フェイスシールド
・使い捨て手袋
・ビニールシート

避難中は、他人同士で同じ空間を共有する慣れないストレスから不安になったり、トラブルが起きたりしやすいものです。

不自由ななか少しでも快適に過ごせるように、な安心できる避難所づくりを心がけます。
また、避難者同士のトラブルを避けるためには、避難所の心得やエチケット・マナーなどを啓蒙する分かりやすいポスターを貼るのも良いでしょう。

特に、受付や、各ゾーンの入り口は、避難者の目に触れやすく効果的です。

専用スペースと集合スペースで避難者を分ける

受付での体温測定や申告により、適切なゾーニングを行いましょう。
アルコールなど手指衛生液も各部屋に設置します。
トイレも、専用トイレを設けます。

◇ゾーニングの例
・発熱者
・濃厚接触者
・要配慮者(高齢者、障害者、基礎疾患を有する者)
・妊産婦
・一般の避難者

避難中に発熱者が。どうしたら?

新型コロナウイルスには潜伏期間があるので、一般向け集合スペースに避難した人が、避難中に発熱するということも当然ありえることです。

そのため、次のことに留意しましょう。

・看護師や保健師による巡回を適宜行う
・集合スペースで発熱者が出たら、人との接触を最低限に抑えた上で専用スペースへの経路が取れるように、あらかじめ工夫する

ソーシャルディスタンスを保持する場合

健康な避難者が滞在するスペースのレイアウト例です。
この数ヶ月ですっかりなじみとなったソーシャルディスタンスを、どこまでとることができるか、難しい場面もあるかもしれません。

特に、地震のような急な災害では十分なスペースを確保できない場合もあります。インバウンドで利用者が減少しているホテルなどに協力を呼びかけて、行政と民間との連携に期待したいですね。

発熱・咳がある場合は、個室を

発熱・咳などある場合はできる限り固執、無理な場合も専用スペースを確保します。
感染拡大状況が、あらかじめ用意するスペース通りになるとは限らないわけですが、可能であれば特定の避難者専用の避難所設定も考えられます。

(内閣府資料より)

この夏、避難が必要なレベルの大雨がすでに降っていますが、新型コロナ感染症のリスクを考えれば、状況によっては避難所への避難が最適というわけではない場合もあります。
「ハザードマップと非常袋の確認」など例年通りの心構えはもちろんのこと、今年は特に「分散避難」をあらかじめ呼びかけておきたいですね。

兵庫県小野市では、次のように呼びかけています。
https://www.city.ono.hyogo.jp/1/8/21/1/x152/